G4のjazzblog

ジャズに人生の半分を捧げた、ノーフレンドオッさん

ちょっと引っ込んでもらえないか?

 

バード・ブロウズ・オン・ビーコン・ヒル

バード・ブロウズ・オン・ビーコン・ヒル

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「Byrd Blows On Beacon Hill」のドナルド・バードが嫌いである。

 

いつも思う。素人が吹いたような音色に、練習曲のようなフレーズ。特に3曲目の「People Say We're In Love」の締め部分でフラフラ掠れまくりで酷いったらない。

 

周りのサイドマンがシンプルながらツボを突いた演奏で盛り立てようとする中、オモチャのラッパを吹いている感じでギャップが凄い。ホント引っ込めの一言である。

 

誤解しないで頂きたいのは、僕はブルーノートの諸作は大半持っており、特に「Byrd In Flight」や「Bryd In Hand」なんかは大好物だ。

 

一体どうしたことかと頭を巡らせれば、レーベルのせいなのだ。ジャズには似つかわしくない街ケンブリッジで興された短命レーベル「Transition」だからだ。

 

ケンブリッジ?ああ、あのケンブリッジ大学があるところね。」と思ったあなた。ケンブリッジケンブリッジでも、大学があるのはイギリス。こちらは米国マサチューセッツ州ケンブリッジなのだ。

 

ちょっと検索をかけても、この街で他にビッグレーベルもなければ、名盤もない。そして街の雰囲気がもろ「イギリス」である。

 

この雰囲気がバードの演奏を駄目にしている。ジャケットを見ればわかるでしょう。ポーズを決めちゃって「カッコつけてる」のだ。

 

カッコつけジャケットと幻の名盤煽りでこのアルバムを買わされた同志は何人いることか。「悔しい」の一言である。

 

僕は、ジャズは米国の音楽だと常々思ってる。前回紹介した日本の「TBM」やドイツの「MPS」など素晴らしいレーベルは星の数だが、やっぱり米国に戻ってくる。

 

でもよくよく調べればこのレーベル、ブルーノートで版権買いしたルイス・スミスの「Here Comes」を録っている。キャノンボール・アダレイも変名で参加しており、名演「Tribute To Brownie」が収められているのだ。

 

うーん、僕のセンスはあてにならん(笑)