G4のjazzblog

ジャズに人生の半分を捧げた、ノーフレンドオッさん

暑い日の一服の清涼剤

暑い、暑い、暑い!!

 

夏はまだこれからなのに毎日最高気温を更新している。まだ7月初旬。本日現場で配管作業してたら汗が噴き出て大変だ。

 

こういう時はデスクワークの出来る仕事に就けるよう努力すべきだったと強く後悔している。まあ、悔んでも仕方ないのだが。

 

こんな日は早々に切り上げて家でジャズを楽しむに限る。暑い時のジャズはピアノかギターのデュオやトリオといった小編成で楽しむのがコツだ。

 

間違ってもリー・モーガンジョニー・グリフィンのようなイケイケ系は聴いてはいけない。そんな事をしたら疲れた心と身体が悲鳴をあげるだろう。

 

こういう時こそ黙って白人のジャズを聴く。僕は偏見差別は一切ないが、クールでスマート、癒しの音楽を黒人は出来ないと思ってる。

 

黒人はどんなにめかし込んで白人のように優雅にキメようとしても絶対に「ノリ」や「スイング」が音と音の間に顔を出すのだ。これは黒人の血がそうさせるので仕方がない。

 

黒人で白人のような音を出せるジャズマンがいたら是非教えて欲しい。

 

こんな時は「学者」デニー・ザイトリンにご登場頂こう。彼の名盤「Live At The Trident」のジャケットを見れば一目瞭然、まさに学者顔だ。

 

実際に彼は医者の家系に生まれ、自身もイリノイ大学で医学を専攻。ガチガチのインテリである。

 

インテリの音楽は夏には最高である。これをかければ周りの空気はスーッと引いていく。

 

一曲目の「St Thomas」、あのロリンズの名演とは打って変わって本当の意味で「寒い」。この曲を何で一曲目に持ってきたのか小一時間問い詰めたい

 

この曲を飛ばせば爽やかな曲が多い。僕は特に4曲目の「Where Does It Lead」にゾッコンである。

 

さあ、傾聴してほしい。

 

ゆっくりとした静かなマーチ風ドラムから、森の奥から響いてきそうなベースの深い単音。それに合わせてソッと入ってくるザイトリンのピアノ。

 

1分19秒からフワッと広がるピアノは深い森から抜け出し、満天の星空を見上げるような感覚に陥る。

 

この曲はライブ特有の周囲のノイズ、食器の鳴る音、不意に鳴る電話も合わさり何もかもがパーフェクトだ。

 

個人的にはビル・エヴァンスの「My Foolish Heart」と双肩を並べる。是非聴いてもらいたい。ホラ、聴き終えれば身も心もスッキリする事請け合いだ。

 

Denny Zeitlin / Live At The Trident

 

1.St Thomas

2.Carole's Waltz

3.Spur Of The Moment

4.Where Does It Lead

5.Lonely Woman

6.My Shining Hour

7.Quiet Now

8.At Sixes And Sevens

9.What Is This Thing Called Love

 

Piano:Denny Zeitlin

Bass:Charlie Haden

Drums:Jerry Granelli

 

Recording:195年3月22日〜24日