G4のjazzblog

ジャズに人生の半分を捧げた、ノーフレンドオッさん

地味なだけで侮るな!

アート・ブレイキーの「At The Jazz Corner Of The World」は地味盤である。通でもない限り見向きもされない。

 

同じ4000番台に「Meet You At The Jazz Corner Of The World」というソックリ盤があるから尚更である。

 

みんな口を開けば「Moanin'」「At The Birdland」等と面白くない。

 

4015番。1959年のハードバップ全盛期、世界のジャズコーナーに立っているアートは一味違う。

 

一曲目「Hipsippy Blues」アートは殆どリズムを淡々と刻むだけ。だが、その何気なさがリー・モーガンハンク・モブレーのフロント陣の調子を徐々に上げていく。

 

温まったところでと2曲目「Justice」でモーガンが唸りをあげる。全盛期と言われるこの頃は早撃ち機関銃のようなプレーが気持ちいい〜。

 

3曲目の「The Theme」。2分19秒の中に管楽器のソロはなし。職人芸のような一糸乱れぬアンサンブルとボビー・ティモンズのらしからぬバド・パウエルを思わせるバップピアノ。ピー・ウィー・マーケットのアナウンスが華を添える。

 

この3曲を聴けば「Moanin'」にも負けていない事に気付くだろう。それと同時に「Moanin'」のようになれない事も。

 

曲目が地味なのだ。得意のチュニジアの夜も、有名スタンダードもない。これでは目をかけてもらえない。

 

僕は妄想する。モブレーの入った「チュニジアの夜」や「ノー・プロブレム」をやってたらどんな感じだろうって。

 

この作品で、普段よりメタリックでハードに迫るモブレーを聴いてると、そんな妄想が頭をよぎる。ジャズはないモノねだりの組み合わせを想像するのが楽しいのだ。

 

今は深夜0時、「シンウルトラマン」に寄せてきた「シンポテト」なるものを食べている。嫁さんがスーパーで買ってきたのだがすこぶる美味い。明日自分の分買いに行こうと決心した。

 

こういう変わり種を買ってくる嫁さんのセンスには参っている。

 

At the Jazz Corner of the World

At the Jazz Corner of the World

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